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事例から学ぶ企業のリスク管理

このコーナーは、過去の事例に基づいて、日常のリスク管理のポイントなどについてお伝えするものです。

その1 試用期間中の解雇(本採用拒否)をめぐるトラブル

『よくある労働者の主張』
  • 〇 採用時に試用期間があることを明示されていない
  • 〇 試用期間中、会社から一度も注意や指導を受けていない
  • 〇 本採用拒否の理由が曖昧だ

〜リスク管理のポイント〜
1.採用時に就業規則等の内容を説明すること
2.適格性有無の判断を目的とする試用期間中の解雇と本採用後の通常解雇と全く同一に論ずることは
  できないため、解雇の合理的事由の範囲は広いと考えられている。したがって、普通解雇や懲戒解雇
  とまったく同じものとはいえないため、単独の条項で本採用取消の根拠や手続きを規定すること
3.適格性判断は規模や業種によっても異なるため、その長さについてよく検討する必要があること

その2 退職理由をめぐるトラブル

『よくある労働者の主張』  ・・・ 解雇に近い退職の場合に比較的多い
  • 〇 自ら望んで会社を後にしたわけではない
  • 〇 退職せざるを得ない状態に追い込まれた
  • 〇 退職届は書かされた

〜リスク管理のポイント〜
1.退職を勧奨していたような場合は事実に基づいて処理を行うこと
2.退職理由に異議のないことについて書面による合意を交わすこと
3.退職強要と思われるような言動はしないこと

その3 服務規律違反による解雇

『よくある労働者の主張』
  • 〇 与えられた仕事はきちんとこなしていた
  • 〇 勤務態度不良の事実はほかの同僚も同じようにある
  • 〇 一度も注意をされたことがない

〜リスク管理のポイント〜
1.客観的に合理的、かつ想定し得る解雇事由を具体的に就業規則に定めること
2.能力不足や不良事実に対する指導書などを交付し、労働者に問題意識を気付かせること
3.再三の注意指導にもかかわらず改善されない場合は、始末書の提出などの制裁を科し、
  勤務態度を改める機会を与えること

〜さらに補足〜
平成22年5月、宮城県内にある某リース会社の幹部従業員が勤務態度不良等を理由に解雇された事件で、解雇が有効と判断された裁判がありますが、そこに至るまでの道のりは決して平坦なものでは
ありません。まず、労働審判を経て、1審2審で解雇無効との判決を受け、最高裁に持ち込み、
やっと会社の主張が認められたというものです。

この従業員には飲酒癖があり、酒に酔った状態で出勤したり、勤務時間中に居眠りをしたり、
社外での打ち合わせ等と称して嫌がる部下を連れて温泉施設で昼間から飲酒をしたり、
取引先担当者も同席する展示会場でろれつが回らなくなるほどに酔ってしまったりすることが
日常的となっていましたが、会社が勤務態度や飲酒癖を改めるよう十分な注意や指導をして
いなかったことなどから、下級審においては解雇が有効と認められませんでした。

飲酒癖といった生活習慣の改善が自己責任の範疇であるとの主張が認められるためには、
最高裁まで持ち込まなければ、社会的常識の判断がなされない現状と
厳格な解雇規制を認識しておく必要があります。


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